活版体験


 ツイッターで続けている140字小説、はじめて一年をすぎ、そろそろ200になろうとしています。最初はなんとなくひとつ思いついて「その1」とつけて投稿しただけで、こんなに続くとは思ってませんでした。10くらいまでかと(笑)。続き物ではなく、1編ずつ完結した形です。
 100あたりから、なにか物質にしたいと考えはじめました。そのとき漠然と、活版がいいなあ、と思いました。文字を物質としてなにかに植え込んでいく作業に憧れました。どれも140字ですので、14字×10行できれいな四角におさまるようにしたいなあ、と考えました。
 そこで、まずは活版の工房・九ポ堂(http://www.kyupodo.com)さんにお願いして、140字小説入りの名刺を作っていただきました。それがなかなか好評でしたので、小説だけのバージョンを作ることになりました!前回のもの+4編で、計5種類です。11月の文学フリマで販売する予定です。


 そして、先日、九ポ堂さんのご好意で活版体験もさせていただきました。今回作るカードの一部の活字を組み、印刷しました。ツイッターでも流しましたが、こちらでもまとめておきます。


 実は九ポ堂さん、もともとはお祖父さまが引退後、趣味で活版印刷をはじめられたのだとか。それを受け継ぎ、現在は活版の工房として、ポストカードやさまざまな作品を作っていらっしゃいます。

 九ポ堂さんの活字の棚です。こんなふうに活字が並んでます。個人の工房なので活字は少なめです。ひらがなだと「の」がたくさんありました。ばらで集めたものなので、同じ字でも少しずつ形がちがいます。活字で見ているときにはよくわからないのですが、印字してみると、ちがいがよくわかります。

 棚から活字を拾ってきます。今回はすでにそろえてもらってました。


 拾った活字を詰めていきます。

 小説部分の出来上がり。

 タイトルなどと合わせ、型に入れます!

 これで刷ります!上の円盤にインクがのってます。組んだ活字は下に。


 刷ってます!
 欠けている活字を取り替えたり、薄い字があったら高さを調節するために活字(3ミリ四方くらい)の裏にテープを貼ったり、細かく調節していきます。

 出来上がり。


 60枚くらい自分で刷りました。活字を並べていくときも、刷るときも、手触りがあって、ものを作っている、という実感がありました。できあがったカードも、薄い紙なのに、重みや厚みを感じます。
 文学フリマで販売予定ですので、いらした方は、ぜひお手に取ってご覧ください。ブースはイー19です。
 九ポ堂さんもブースを出すそう。ご興味ある方は、こちらにもお運びくださいね!