先日、ツイッターでも告知しましたが、昨年11月に出版された『お父さんのバイオリン』(徳間書店)が、長野県の夏の読書感想文コンクールと、大阪府の本の帯創作コンクールの課題図書に選定されました。
http://www.nagano-la.com/
http://www.osaka-books.ne.jp/index.php?e=17
ありがとうございました。いずれも小学校高学年の部です。小学生がどんな感想を持ち、帯を作るのか、今からどきどきしています。


『お父さんのバイオリン』はわたしがはじめて書いた児童書です。主人公は小学6年生・梢。バイオリン奏者だった梢のお父さんは、梢が小さいころに亡くなり、梢は楽団に勤めるお母さんとふたりで暮らし、バイオリンを習っていました。ところがある日、交通事故を目撃したのをきっかけに梢はバイオリンを弾けなくなり、お母さんの勤める楽団も不況で解散することになってしまいます。夏休み、バイオリンを弾けなくなった梢と仕事をなくしたお母さんは、おばあちゃんの家がある綿町へ。そこで梢は不思議な少年と出会って。。。という物語。
児童書ですが、お母さんが焼くパンやおばあちゃんの作るシロップ漬けの話もあり、ちょっとした謎や仕掛けもあり。。。で、大人の方でも楽しんでいただけるのでは、と思います。


でも、今回はなんといっても子ども向けの本。編集さんからも子ども向けの本としてのあれこれをアドバイスしていただき、いろいろ新しい発見もありました。心が形作られていく過程の子どもたちが読むのだから、と、これまでとはちがう意味で緊張もしました。
しかし、よく考えてみると、心が完成する、などということはないのかも、と思いました。大人になっても、心は日々変わっていきます。大人向けの本だって、大人の心の養分になっている。米みたいなものなのか、肉なのか、野菜なのか、お酒なのか、お菓子なのか、薬なのか、水なのか、いろいろちがいはあるけれども、心の糧であることには変わりがない。だから、こちらも心を尽くさないといけないんだなあ、と、いまあらためて感じています。


http://www.tokuma.jp/kodomo/bungaku/304a723630553093306e30a430aa30ea30f3