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先日連句の巻き方をアップしましたが、言葉で説明しても連句がどういうものかわかりにくいと思いますので、過去の作品を掲載します。すでにわたしのサイトで公開していたものです。連衆は川上弘美さん、東直子さん、大隅結さん、わたし(このころは大下さなえという名前でした)です。
本来縦書きで記すものですが、あまりこだわらず横書きのまま記します。連句では句の下に作者の名前を書きます。姓はなしで、名のみ。最初だけ名を全部書いて、二句目からは一文字だけで記します。どの文字を記すかいろいろあるのですが、わたしたちは頭の文字を記すようにしていました。タイトルは巻き終わったあと、全体を見て、代表句となりそうなものから取ってつけます。
半歌仙 ひらくかたち 捌 大下さなえ
木犀のほとりと落ちるつむじかな 直子
線路の先に浮かぶ三日月 さなえ
白露に小鳥笛彫る人のいて 弘美
冷めたマグマのごとうづくまる 結
高層のビルからビルへ飛びうつれ さ
車座になりちまき結ぶよ 弘
兄さんの声を散らかす扇風機 直
かばんの中のふくよかな闇 結
てのひらをしずかにひらくかたちにて 弘
きのふゆるしたこと思ひ出す 直
キリシタン殉教の地に潮の立ち 結
全東京モヤイ像分布図 さ
冬林檎おほきく齧る昼の月 弘
園長先生霜柱踏む 直
縁側の湯呑に酒の残りたる さ
蛙飛び出す玉虫厨子 結
流行性耳下腺炎癒ゆ花のころ 直
卒業の子の髪つややかに 弘
巻き方で記したように、連句は前の句とはつながりますが、前々句とは切れます。全体のテーマというものはないので、そうやって読もうとしても理解できません。味わうべき点は、一句のおもしろさ、そして二句の付け合いのおもしろさ、全体がさまざまに変化しながら連なっていく様子です。
ですが、連句の楽しさは、やった人でないとわからないかもしれません。出来上がった作品を味わうというより、巻いて行くその場を楽しむものということです。巻く経験を重ねていくと、ほかの人たちの巻いた連句も味わえるようになります。
興味がありましたら、わたしの過去のサイトにもむかし巻いた作品がアップされていますので、のぞいてみてください。
http://homepage1.nifty.com/kyupi/renku/mokuji.html