『恩寵』刊行されました!

ほしおです。年末になってしまいましたね〜。

さて、告知が遅れましたが、先日ついに『恩寵』が刊行されました!
http://www.kadokawa.co.jp/book/bk_detail.php?pcd=200607000116
カバーは宇田川新聞さんによる木版画で、とてもうつくしい本になりました。帯には、歌人、小説家の東直子さんの素敵なコメントもいただきました。
いろいろあって、できあがるまでほんとうにたいへんだったのですが、年内に刊行することができ、これですがすがしく新年を迎えられる!と涙しております(協力してくれた皆さま、ありがとうございました!)。
内容は、ストーリーの大筋は雑誌掲載時と同じなのですが、形はかなり変わりました。
もともと、1話完結ものの連作という形をとっていたので、1話1話独立した謎があっていちおう話が収束して、でも、ときどき全体の大きな謎にかかわる話が出て来て。。。という構造だったのですが、1冊にまとめるにあたって、大きな謎の方により焦点があたるようにしました。そのため、全体に関係のない謎はカットすることになったのですが、代わりに、大きな謎に関わる描写はよりくわしく書き込みました。
なくなってしまったエピソードもあり、消えてしまった登場人物もいて、少し惜しい気もしましたが、これによって見通しがよくなり、主要な登場人物の心の動きがより深く、細かく表現できたような気がしています。
わたしがほしおさなえ本人ではなく、だれかに「ほしおさなえでまずなにを読めばいいか」と訊かれた場合(今ひとつわけのわからない設定ですが)、迷わずこの本を勧める、そのくらいの自信作(今ひとつなにが言いたいのかわからない表現ですが)です。どうぞよろしくお願いいたします!

というわけで、皆さま、よいお年を。