二時まで

むかしの知り合いが出て来る夢を見た。もう十年近く会っていない人だが、なぜか夢で登場するとき、いつもとてもいい人なのだ。今回も、自分はあんまり待てない性分なんだけど、二時まで待ってあげるから、と恩着せがましい口調で言われただけなのに、待ってもらえるんだ、と肩の荷がおりたような、満ち足りた気持ちになっていた。実際のその人がいい人だったかというと微妙で、なぜ夢のなかでだけ決まって善人なのか。その人自身ではなく、なにかの象徴なのかもしれないが、なにを象徴しているのか。すべて謎である。